海外の映画の場合、私が最初に知るのはたいてい音楽(サウンドトラック)です。ネットを使えば、日本で公開になるずっと前にディスクを手にすることができるので。
この映画の場合も、まず音楽を知りました。
ジャケットには「PIANO MAGIC」とクレジットがあり、わきに小さく「Son de Mar」とあります。
あれ?イングランド盤だから英題なのかな?と最初思いました。でも、これは間違い。サウンドトラックを担当したグループの名前です。
海の音や鐘の音をクロスさせた音楽が気持ち良くて、いっぺんで気に入りました。今年の私のベスト盤になるかも、というくらいに。
マイケル・ナイマンやフィリップ・グラスが大好きな私は、どうも「ぐるぐる系」の音楽が好きなようです。同じような旋律を繰り返し、転調しながら展開してゆくタイプの音楽。こういった「ぐるぐる系」の音楽は、渦巻きの水に似ています。だんだん中心に向かって引きずり込まれてしまう。
この「Son de Mar」も「ぐるぐる系」です。ただし、外に向かってゆっくり開く渦巻き。解き放たれる、と表現するとわかりやすいでしょうか?
原題の「Son de Mar」(日本語にすれば「海の音」)は、たいへん優れたタイトルだと思いました。邦題である「マルティナは海」も悪くありませんが、音楽を聞く限りでは、マルティナの内なる海(的なもの)をあらわしているのではなく、マルティナをも含む(生み出した)海(もしくは、風土的なもの)をあらわしている、と感じられるので。
でも、そのままを邦題にすると、「海の音」≒「海潮音」≒「山のあなたの空遠く…」みたいな連想を呼び、ちょっと不都合かもしれませんね。